中学生くらいまで、きりきりと、足の付け根に近いお腹が痛むことがありました。原因は調べなかったので今でも不明ですが、その度に少しばかりの不安に駆られたものでした。  実は私、生まれて間もない幼少期に脱腸……そけいヘルニアの手術をしたのです。もちろんあまりにも幼い頃なので親や兄弟から聞いた話なのですが、ある日いつまで経っても泣きやまない私を母があやしていたそうです。そんな折に、ふと腹部に違和感を感じたそうなのです。  もと看護師だった母はすぐにヘルニアだと分かり、大急ぎで私を病院へ連れて行ったそうな。まあ、当然の事だったのでしょうが。  そして左右どちらにも生じていたヘルニアの手術をし、私のお腹にはかなりうっすらと手術痕が残ることになりました。  もちろん、冒頭で述べたように稀に痛むことはありましたが、それは手術をしたからだという確証はありません。そもそも毎日、不便など感じないで生活できているのだから、そんなことは些末なことに過ぎません。  最後に、入院中あまりにも私が泣き叫ぶものだから、病院側から手術痕が開くことを大分懸念されたそうです。そのせいで早めに退院させられた、と、苦笑い混じりに親兄弟に告げられたこともさりげなく記しておきます。